いち瑠の放課後

きものエピソード

いちるのもり
2025/01/23 11:50

きものエピソード002

 

素敵な着物Life

 

ずっと着物を着られるようになりたいと思っていた。

 

しかし、なかなか一歩踏み出せず思い始めてから何年かたってしまったが、

ある時ふっと何かに押されるようにしてやり始めることになった。

 

習い始めてからは、手先はこんなに不器用だったのかと思うほど、

そして呑み込みが悪く、何度も繰り返し聞くしかない。

 

そのうち手が覚えるだろうと続け、かなりの時間がかかり。

ようやく手順を覚えてきたようだ。

きれいに着られるようになるにはまだ先になりそうだ。

昔の日本人はすごい。

 

あんなに難しい着物を毎日当たり前のように着ていたのだから

私は前世、日本人ではないなと、いつも着付けの時に思ってしまう。

 

「着物を着て出かけたい」と思い、教室に行くときに着て行ったことがある。

 

ひどい有様であったが、通りがかった人に「やっぱり着物はいいわね。とてもきれいね」と、

着物を誉められた。

 

ひどい着方だったので、苦笑いとなったが、着物は良いものだと思う気持ちは私も同じである。

 

着物を着ている人を見ると、素敵だと思う。

着物が素敵なのはもちろんだが、

着ている人の背景、所作や生活の仕方、生き方などが

素敵なのだろうと創造させてくれるのである。

 

今、昔に比べてとても便利になった。

自転車があり、洋服があり、スニーカーがありとても身軽に生活していることを、

着物を着ると痛感する。

 

着物は洋服に比べて着るのに時間がかかる。

 

着物で自転車には乗れない。草履はスニーカーのように走れない。

とにかく不便で時間がかかる。暑い日には汗をかいて耐えられない。

 

着物が傷む、勿体ないからやめよう、雨の日などもってのほか、

時間がない時は無理、と「着物で出かける」が遠のいていく。

 

なんて素敵だろう、憧れの生活。

 

きれいに着て、背筋を伸ばし、ゆとりをもった生活を想像しながら

楽しんで生活の中に少しずつ着物をとり入れ素敵な着物Lifeを送りたい。

 


※ここでは生徒さんから寄せられた過去の素敵なきものエピソードを順次紹介しております。

 (リアルタイムのお話ではございません)

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